吉野川上流にある阿波市の三浦醸造所では、昔ながらの方法でねさしみそを生産しています。それは、蔵付きの(空気中の)こうじ菌を利用する方法です。 蒸した大豆をつぶしてナマコのような形に整形して、むしろを敷いた棚の上におき、2ヶ月以上かけて蔵の中のこうじ菌を繁殖させます。
何度かひっくり返して全体にこうじ菌が繁殖すると、細かくつぶして塩水と混ぜます。そして、大豆を蒸した時に出る「あめ」という煮汁を加えて仕込みます。
かつては東海地方でも、種こうじを使わずに、蔵についたこうじ菌を利用していました。 実は、徳島に豆みそをもたらしたのは、尾張出身の蜂須賀家とその家臣団と伝えられています。そのため尾張と徳島のみその製法に、共通する部分があるのかもしれません。
尾張地方から伝わったとされる「ねさしみそ」、地域独自の米みそである「御膳みそ」、徳島は独特のみそ文化を持つ地域であることを感じました。